リニアエンコーダー (オープンタイプ)

ハイデンハインのリニアエンコーダ(直線位置検出器・リニアスケール)は、機械的変換なしで、直線軸の位置を検出します。これにより、下記の誤差の原因を取り除く事が出来ます。

  • ボールねじの熱膨張による位置決め誤差
  • 反転誤差
  • ボールねじのピッチ誤差による動的誤差

位置決め精度と加工速度が要求される機械にとってリニアエンコーダは必要なものとなります。

オープンタイプリニアエンコーダ(直線位置検出器)

ハイデンハインのオープンタイプリニアエンコーダ(直線位置検出器)は、高い精度が要求される工作機械および機器に使用されます。その主な用途は次の通りです。

  • 半導体産業向け製造装置および計測機器
  • 自動部品組立機
  • 超精密機械、機器、例えば光学部品用ダイヤモンド施盤、磁気メモリディスク用施盤、フェライト部品用研削盤など
  • 精密工作機械

機械的構造

ハイデンハインのオープンタイプリニアエンコーダ(直線位置検出器)、スケールまたはテープスケールおよび走査ヘッドから構成され、非接触式で働きます。

ハイデンハインのオープンタイプリニアエンコーダ(直線位置検出器)では、スケールを取付面に張り付けます。そのため、取付面の平坦度が、リニアエンコーダ(直線位置検出器・リニアスケール)の高精度に必要な条件になります。

温度特性

ハイデンハインのリニアエンコーダ(直線位置検出器)の温度特性は、機械の動作精度を測る重要な判断基準となります。リニアエンコーダ(直線位置検出器)の温度特性は、工作物や測定物の温度特性と一致するようにして下さい。

温度変化が発生した場合、リニアエンコーダ(直線位置検出器)がある特定のポイントを基準にして伸び縮みし、それによりリニアエンコーダ(直線位置検出器)と機械の間に位置ずれを生じないようにして下さい。

ハイデンハインリニアエンコーダ(直線位置検出器)のスケールベースは、それぞれ熱膨張係数が違います。そのため、温度特性の面からその時々の測定課題に適したリニアエンコーダ(直線位置検出器)を選択することができます。

LICシリーズ

オープンタイプリニアエンコーダLICシリーズは、最長28mの測定長を高速度での絶対位置値測定が可能です。

LIC 4100 (高精度および高速制御用)

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差 (通常)
測定長インターフェース型式
ガラスまたはガラスセラミックを取付け面に固定≈ (0±0,1) x 10-6K-1
≈8 x 10-6K-1
±3 μm
±5 μm
240
~3040㎜
EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
パナソニック
LIC 4113
LIC 4193F
LIC 4193M
LIC 4193P
アルミ固定ホルダにスケールテープを挿入し両端をテンション留め取付け面に準ずる±5 μm140
~28440㎜
EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
パナソニック
LIC 4115
LIC 4195F
LIC 4195M
LIC 4195P
スケールテープをアルミホルダに挿入し取付け≈ 10 x 10-6K-1±3 μm
±5 μm
±15 μm
240
~6040㎜
EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
パナソニック
LIC 4117
LIC 4197F
LIC 4197M
LIC 4197P
スケールテープを接着テープにより取付け面に直接貼付≈ 10 x 10-6K-1± 3μm
±15μm
70 1020 ㎜EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
パナソニック
LIC 4119
LIC 4199F
LIC 4199M
LIC 4199P

LIC 2100 (高速制御用)

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差(通常)
測定長インターフェース型式
スケールテープをアルミホルダに挿入し取付け≈ 10 x 10-6K-1± 15μm120~3020㎜EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
LIC 2117
LIC 2197F
LIC 2197M
スケールテープを接着テープにより取付け面に直接貼付≈ 10 x 10-6K-1±15μm120 mm to 
3040 mm
EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
LIC 2119
LIC 2199F
LIC 2199M

LIP 200(超高精度用)

アブソリュートエンコーダLIP211とLIP291は位置値情報をシリアルデータで出力します。正弦波の走査ヘッド内で内挿分割され内臓のカウンタ機能により位置値に変換されます。全てのインクリメンタルエンコーダで、絶対基準値は原点を用いて算出します。

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差(通常)
測定長インターフェース型式
Zerodurガラスセラミックをクランプ留め≈ 10 x 10-6K-1±3μm20~3040㎜EnDat2.2
ファナックαiインタフェース
三菱
LIP 2111
LIP 291F
LIP 291M

LIP (超高精度用)

オープンタイプリニアエンコーダLIPは、超高精度、高い繰り返し性、そして超高分解能を特徴としています。DIADUR位相格子目盛を干渉走査方式により測定します。

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
精度等級
誤差 (通常)
測定長インターフェース型式
インパ―材にZerodurガラスセラミックが固定されており、そのインバ―材をボルト留め≈ 10 x 10-6K-1± 0.5 μm70~270㎜TTL
1 VPP

LIP 372
LIP 382

Zerodurガラスセラミックをクランプ留め≈ 10 x 10-6K-1±1μm
±3μm
20~3040㎜1 VPPLIP 281
Zerodurガラスセラミックまたはガラススケールをクランプ留め 

≈ 10 x 10-6K-1
もしくは
≈ 8 x 10-6K-1

± 0.5 μm
±1μm
70~420㎜TTL
1 VPP
LIP 471
LIP 481
ガラススケールをクランプ留め≈ 8 x 10-6K-1±1μm70~1020㎜TTL
1 VPP
LIP 571
LIP 581

LIF (高精度用)

オープンタイプリニアエンコーダLIFは、ガラス本体にSUPRDUR製法によって形成された位相格子を干渉走査方式により測定します。高精度と高い繰り返し性を特徴としています。取り付けも簡単です。また、リミットスイッチ機能とホーミング機能も利用できます。特別バージョンのIF481Vは、最大10barまでの高真空度での使用も可能です。

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差(通常)
測定長インターフェース型式
ZerodurガラスセラミックまたはガラススケールをPRECIMET接着テープ固定≈ 10 x 10-6K-1
もしくは
≈8 x 10-6K-1
±1μm
±3μm
70~1020㎜TTL
1 VPP
LIF 471
LIF 481

LIDA (高速制御と長尺測定用)

オープンタイプリニアエンコーダLIDAは、10m/sまでの高速制御用として設定されており、用途により取り付け方法を選択することができます。スチールテープ、ガラス、ガラスセラミックのベースにMETALLURの目盛が使用されています。リミットスイッチ機能も搭載しています。

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差(通常)
測定長インターフェース型式
ガラスまたはガラスセラミックを取付け面に固定≈ 10 x 10-6K-1
もしくは
≈ 8 x 10-6K-1
±1μm
±3μm
±5μm
240~3040㎜TTL
1 VPP

LIDA 473
LIDA 483

アルミ固定ホルダにスケールテープを挿入し両端をテンション留め取付け面に準ずる±5μm140~30040㎜1 VPPLIDA 475
LIDA 485
スケールテープをアルミホルダに挿入し両端をテンション留め

≈ 10 x 10-6K-1

±3μm
±5μm
±15μm

240~6040㎜TTL
1 VPP
LIDA 477
LIDA 487
スケールテープを接着テープにより取付け面に直接貼付≈ 10 x 10-6K-1±3 μm
±15μm
最長6000㎜TTL
1 VPP
LIDA 479
LIDA 489
スケールテープをアルミホルダに挿入し取付け≈ 10 x 10-6K-1±15 μm最長10000㎜TTL
1 VPP
LIDA 277
LIDA 287
スケールテープを接着テープにより取付け面に直接貼付≈ 10 x 10-6K-1±15 μm最長10000㎜TTL
1 VPP
LIDA 279
LIDA 289

PP 2軸座標測定用

2軸座標測定エンコーダPPは、スケール本体のガラス基板上に平面状に位相格子が構築されているということです。そのため平面内での位置測定が可能です。

スケール本体と取付け熱膨張係数αthem1信号周期
あたりの位置
誤差(通常)
測定長インターフェース型式
ガラスプレートを接着固定≈8 x 10-6K-1±2 μm測定範囲68×68mm1 VPPPP281
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